「投資は難しそう」「リスクが怖い」というイメージをお持ちではありませんか?
そんな方にこそおすすめしたいのが国債です。
国が発行するこの債券は、安定性が高く、初心者でも手軽に始められる資産運用の一つとして人気があります。
この記事では、国債の基本的な仕組みからメリット・デメリット、具体的な購入方法まで、わかりやすく解説します。
これを読めば、国債を活用して安心して投資を始めるための知識が身につくでしょう。
■ 国債について
国債とは、政府が発行する債券のことを指します。
簡単に言えば、「国が借金をするために発行する証券」です。
国は、税収だけでは賄いきれない予算を補うために、国内外の投資家からお金を借りる形で国債を発行します。
国債を購入した人には、あらかじめ決められた金利が支払われ、満期時には元本が返還されます。
日本の場合、国債の信用度は非常に高いとされ、リスクが低い投資商品として知られています。
これは、日本が自国通貨である円建てで発行するため、他国の通貨に依存せず、必要に応じて通貨を発行することができるからです。
■国債の種類について
国債にはさまざまな種類があり、投資の目的や期間に応じて選ぶことができます。
代表的なものを以下に紹介します。
・一般的な国債
◎固定利付国債
利率が発行時に決まり、満期まで変わらない国債です。
安定した利息収入を求める投資家に向いています。
◎変動利付国債
金利が市場の動きに応じて変わるタイプの国債です。
金利が上昇する局面では有利となる可能性があります。
◎短期国債
満期が1年未満の短期債券で、主に金融機関が購入します。
個人投資家が直接購入することは少ないです。
・個人向け国債
後述しますが、個人投資家専用に設計された国債で、3年、5年、10年の満期が選べます。
■個人向け国債とは何か
個人向け国債は、名前の通り、一般の個人が購入できる国債です。
銀行や証券会社を通じて購入することができ、以下の特徴があります。
・最低購入額が低い
1万円から購入可能で、少額から投資を始められます。
・安全性が高い
元本保証があり、満期時には必ず元本が返還されます。
これは、リスクを抑えたい初心者にとって魅力的な特徴です。
・種類と金利
個人向け国債には、以下の3種類があります。
◎変動金利型10年満期国債:半年ごとに金利が見直されるタイプ。
◎固定金利型5年満期国債:利率が固定され、5年後に元本と利息が返還されます。
◎固定金利型3年満期国債:短期間で利息を得たい人に向いています。
・途中解約可能
購入後1年経過すれば、中途解約が可能です。
一定の手数料が発生しますが、緊急時に資金を引き出せるのは安心材料です。
■国債のメリット
・元本保証がある
国債の最大の魅力は、元本が保証されていることです。
例えば、銀行預金のように元本割れの心配がなく、安定した運用が可能です。
特に日本の国債は、日本政府が発行するため信頼性が高く、「国が破綻しない限り安全」と言われています。
これは投資初心者にとって非常に安心できる要素です。
・安定した利息収入
国債を購入すると、定期的に利息が支払われます。
例えば、10年物の固定利付国債であれば、満期まで同じ利率で利息を受け取れます。
銀行の定期預金より高い利率を設定していることもあり、少額の資産運用でも収益を得やすいのが魅力です。
・少額から始められる
個人向け国債は1万円から購入可能で、大きな資金を用意する必要がありません。
これにより、投資初心者や学生、主婦など、資金に余裕がない人でも気軽に投資を始められます。
・中途解約が可能(個人向け国債の場合)
個人向け国債では、購入から1年経過後に中途解約が可能です。
例えば、急な出費や生活の変化で現金が必要になった場合でも、ある程度柔軟に対応できます。
これは、ほかの多くの投資商品にない特長です。
・インフレヘッジとしての役割(変動金利型の場合)
変動金利型の個人向け国債は、市場金利の上昇に応じて利率が変わります。
例えば、インフレによって金利が上昇する局面では、利息収入も増えるため、実質的な購買力の目減りを防ぐことができます。
・金融機関よりも利便性が高い運用先になる場合がある
超低金利時代の現在では、銀行の普通預金や定期預金の利率が非常に低いため、国債の利率の方が高くなることが多いです。
特に長期で預ける資産を検討している場合、国債は預金よりも効率的に資産を増やせる選択肢となることがあります。
■国債のデメリット
・利回りが低い
国債は安全性が高い分、利回りが低いというデメリットがあります。
例えば、株式や投資信託と比較すると、リターンはかなり控えめです。
高い収益を狙う投資家にとっては物足りない商品と言えるでしょう。
・インフレリスク
固定金利型の国債では、インフレによって実質的な価値が目減りするリスクがあります。
例えば、年1%の利率で運用しても、物価が2%上昇してしまうと、実質的な購買力は減少します。
・途中解約の手数料
個人向け国債では、1年以上保有すれば中途解約が可能ですが、その際に手数料として「直近2回分の利息相当額」が差し引かれます。
急な解約が続くと、利息収入が実質ゼロになる可能性もあります。
・価格変動リスク(一般の国債の場合)
市場で売買される一般の国債(利付国債など)は、金利の変動に伴って価格が上下します。
例えば、市場金利が上昇すると既発国債の価格は下がります。
満期まで保有すれば元本が返還されますが、途中で売却する場合には損失が出る可能性があります。
・流動性の制限
個人向け国債は満期まで保有することが基本であり、早期に現金化したい場合は手続きや条件に制約があります。
すぐに資金が必要な状況では、銀行預金ほどの流動性は期待できません。
・他の投資と比べて面白みに欠ける
国債は安全性が高く、リターンも安定していますが、その分、価格の大きな変動やサプライズ要素がありません。
投資でスリルや大きなリターンを楽しみたい人には魅力的に感じないことがあります。
■国債の購入方法
国債を購入するには、以下の手順を踏みます。
・口座の開設
銀行や証券会社で、国債購入用の口座を開設します。
ネット証券を利用すると手数料が安くなる場合があります。
・購入申し込み
口座を通じて、購入希望の国債の種類と金額を指定します。
個人向け国債の場合、1万円単位で申し込めます。
・購入の確認
購入が確定すると、証券会社や銀行から通知が届きます。
その後は定期的に利息が支払われ、満期時には元本が返還されます。
・中途解約(必要な場合)
緊急時に中途解約をする場合は、購入元の金融機関に依頼します。
ただし、1年以上経過していることが条件です。
■国債はどんな人におすすめなのか
国債は以下のような人に適しています。
◎リスクを抑えたい人
投資初心者や、元本割れのリスクを避けたい人に向いています。
◎安定収入を求める人
利息収入を定期的に得たい人や、資産を長期的に運用したい人におすすめです。
◎短期の資産運用を希望する人
固定金利型3年満期国債は、短期間での運用を考えている人に向いています。
◎資産分散を考える人
株式や外貨建て資産など、リスクの高い商品と組み合わせることで、リスクヘッジとして利用できます。
国債は、低リスクで安定した運用を求める人に適した投資商品です。
特に個人向け国債は、初心者にも分かりやすい仕様となっており、少額から始められるのが魅力です。
ただし、低金利の環境では大きなリターンを期待するのは難しいため、他の投資商品と組み合わせて運用することをおすすめします。
国債の購入を通じて、まずは安全な資産運用の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。