身近な友人や恋人がメンヘラだと、どう付き合っていけばいいのか悩んでしまうものです。
ネット上にある掲示板でも、メンヘラに関するカテゴリがあることから、匿名で相談したいと考えている人が多いことがわかります。
メンヘラな人と一緒にいるとこちらまでネガティブな気持ちになり、疲れてしまうことも多いです。
そこで今回は、メンヘラの意味や「メンヘラ」と呼ばれる人の共通点、メンヘラなパートナーとの付き合い方、メンヘラを治す方法についてご紹介します。
■そもそもメンヘラとは?
メンヘラは、「メンタルヘルス」の略語です。
心の健康という意味を持つ言葉です。
心の何らかの問題を抱えている人の総称として、2010年代頃からネット上で使われるようになってきました。
初めの頃は、メンタルヘルスを略して「メンヘル」や「メンヘラー」などと呼ばれていました。
それらが徐々に変化し、「メンヘラ」という言葉が定着したのです。
メンヘラは精神的に不安定だったり、心に闇を抱えていたりする人を指すことが多いです。
また、恋愛に依存する傾向がある人、リストカットやオーバードーズなどの自傷行為をする人に対して使われる言葉でもあります。
メンヘラの具体的な定義はないので、人によって解釈の仕方が異なることも珍しくありません。
そのため、使用する時は細心の注意を払うようにしてください。
■「メンヘラ」と呼ばれる人の共通点
「メンヘラ」と呼ばれる人には共通する特徴がみられます。
続いては、メンヘラの共通点についてみていきましょう。
・常にネガティブ思考
メンヘラな人は、基本的にネガティブ思考です。
何に対しても前向きに考えることができず、始める前から失敗やリスクを恐れ、大きな不安に駆られてしまいます。
「どうせ私なんかできっこない」「うまくいくわけがない」などと自己否定するような言動も目立つ傾向にあります。
また、相手のちょっとした言動にも過剰反応し、被害妄想に陥ってしまう人もいるのです。
恋愛面では特にその傾向が強くなり、LINEが返ってこなかったり、相手の言い方がちょっときつかったりするとだけで、「私はもう嫌われてしまったんだ」「浮気されているのかもしれない」などとひどく落ち込んでしまうケースも珍しくありません。
ちょっとしたことも深刻に考えて悲観的になってしまうのは、メンヘラな人の特徴です。
・自己肯定感が低い
自己肯定感が低いことも、メンヘラな人の共通点です。
自己肯定感が低いと、自分への評価が低くなるので、何をするにしても自信が持てなくなります。
そうなってしまった背景には、過去のトラウマやコンプレックスなど自尊心を傷つけられるような出来事、失敗などが重なっているケースが多いです。
周りと比較し、「私なんかダメ人間だ」「生きている価値なんかない」といった劣等感に心が侵されていきます。
また、人から褒められた時も受け入れることができないといった傾向もあります。
そのため、恋人ができても「こんな私を好きでいてくれるなんてありえない」「自分のような人間は嫌われるのが当然だ」などとネガティブ思考に陥ってしまうのです。
・依存しやすい
依存しやすいことも、メンヘラな人の共通点です。
依存する対象は、恋人や友人、趣味、アルコール、たばこ、薬など様々です。
恋人や友人への連絡頻度がかなり多い場合や、少しでも返信が遅くなると不安になって何度も連絡する場合などは、メンヘラである可能性が高いでしょう。
相手が負担に感じる行為をしてしまうことが、メンヘラの特徴ということになります。
依存対象にのめり込んでしまうと、常識ではありえないような時間やお金を使ってしまう場合もあります。
依存の対象から拒否されてしまったり、うまく依存ができなかったりすると不安定になってしまうのも、メンヘラならではの特徴です。
・恋人や友達を束縛する
恋人や友達を束縛してしまうことも、メンヘラの特徴の1つです。
メンヘラな人は、心の中に不安や寂しさをずっと抱えているので、親しい相手には一緒にいてほしいと考えます。
また、自分との時間を何よりも優先してほしいとまで考えるのです。
その結果、相手のスケジュールを細かく知りたがったり、行動をコントロールしたりします。
自分に自信がないことも原因の1つです。
自信を持てないので、誰かに恋人や友人を取られてしまうのではないかと不安になり、束縛につながってしまいます。
・話を盛る
とにかく話を盛るという点も、メンヘラな人に多い特徴だと言えます。
精神的に弱くて寂しがり屋なので、誰かに注目してもらったり、反応してもらったりすることで、承認欲求が満たされます。
周りの関心を集めるためなら、実際よりも誇張して話したり、嘘や作り話をしたりすることもあるのです。
それらの行為は、かまってほしいという欲求が根底にあるので、本人が悪気や罪悪感を持つことはありません。
嘘をついているという自覚を持っていない場合もあります。
そうなってしまうと、「○○さんって虚言癖があるよね」と言われる原因になってしまいます。
・極度の寂しがり屋
メンヘラな人は、とにかく寂しがり屋です。
1人で過ごす時間はできるだけ避けようとします。
また、放置されることも苦手です。
寂しい気持ちを埋めるため、恋人や友人など誰かと一緒に行動したいと考えるようになります。
特に精神的に不安定になっている時や落ち込む出来事があった時は、そのような気持ちがより強くなります。
そして、相手をしてくれそうな人に甘え、依存してしまうのです。
恋人がいてもかまってもらえない日が続くと、寂しさが強くなって束縛がさらに強くなる可能性があります。
中には、寂しさを埋めるために浮気に走る人もいます。
・情緒不安定
気分の波が激しくて、コロコロと様子が変わるのもメンヘラの特徴です。
ちょっとしたことがきっかけになって、感情が激しくあふれてしまうことがあります。
楽しそうに笑っていたと思ったら、泣き出したり怒ったりする場合もあるでしょう。
考えるよりも先に気持ちが出てしまうので、極端な行動になってしまうことが原因だと考えられます。
態度や言動もコロコロ変わるので、「地雷がどこにあるかわからなくて付き合いにくい」「情緒が不安定で怖い」などと思われてしまうこともあります。
・過去の恋愛を引きずりやすい
過去の恋愛がトラウマになっている人の場合、「また同じようなことをされてしまうかもしれない」と不安を抱えるようになります。
恋人からひどく傷つけられた経験があると、恋愛に対する恐怖心が強くなってしまうのは当然のことです。
しかし、「この人は元彼とは違う」と割り切れれば、過剰に不安を抱える必要はありません。
つまりメンヘラな人は、過去の恋愛を引きずりやすいということになるでしょう。
・嫉妬させるような行動をとる
恋人に嫉妬させるような行動をとることも、メンヘラな人は多いです。
「今日は○○さんとご飯に行ってきたよ」、「実は同僚が私のことを好きなんだって」などと言い、相手の反応をチェックします。
それは自分に対する愛情を確かめるための行為でもあります。
■メンヘラなパートナーとの付き合い方
メンヘラなパートナーと付き合うのは疲れてしまうことも多いです。
しかし、相手のことが好きで離れがたいと思っているなら、付き合い方も把握しておくべきです。
続いては、メンヘラなパートナーとの付き合い方についてみていきましょう。
・愛情をしっかり伝える
パートナーがメンヘラだと気づいたら、愛情はしっかりと伝えるようにしましょう。
愛情に飢えているケースも多いので、「愛しているよ」「○○のこと、本当に大切に思っている」などと伝えてあげてください。
また、スキンシップを増やして温もりを感じてもらうような努力も忘れてはいけません。
そうすることで「私は必要とされている」「愛されている」という実感が生まれ、安心できるようになります。
面倒だからと放置するのはもってのほかです。
・わがままを受け入れすぎない
わがままと受け入れすぎないことも把握しておくべきポイントです。
好きだと何でもかんでも合わせたくなりますが、それでは共依存状態になる可能性が高いです。
それでは本末転倒なので、ダメなことはダメだとしっかり伝える必要があります。
適度な距離感を保つことが良好な関係を築くための秘訣です。
・否定はしない
否定をしないことも、メンヘラなパートナーと良好な関係を築くための要素になります。
誰でも否定されて気持ちが良いとは思いませんが、メンヘラな人はさらにその傾向が強いです。
じっくりと話を聞き、過去の出来事やトラウマなども全て受け入れ、共感することも重要なポイントです。
「この人は私と本当に向き合ってくれている」と感じてもらえれば、だんだんと自分に自信を持てるようになっていくはずです。
・こまめに連絡する
寂しがり屋なパートナーに安心してもらうためには、こまめな連絡が必要不可欠です。
パートナーからかまってもらえないと、浮気に走ってしまう可能性もあります。
そのため、できるだけ連絡頻度は多くするのがおすすめです。
最低でも1日に2回は自分から連絡するようにすれば、相手を安心させることにつながるでしょう。
・駆け引きをしない
恋愛で駆け引きをする人もいますが、メンヘラなパートナーに対して行うのは得策ではありません。
相手に試されることに対して苦手意識を持っている傾向があるためです。
嫉妬させるための行動によって、「もう嫌いになってしまったんだ」「浮気をされている」などと不安にさせてしまうことになります。
不安感が募ると精神的に不安定になりやすいので、駆け引きをすることなく、素直に好きな気持ちを伝えるようにしましょう。
・予定はできるだけ詳しく伝える
予定が決まっているなら、できるだけ詳しく伝えることも、パートナーを安心させるために重要です。
パートナーと会わない時間は、妄想だけが広がっていきます。
そして、メンタルはどんどんすり減っていき、情緒不安定になっていくでしょう。
しかし、相手の予定がはっきりとわかっていれば、ネガティブな気持ちになることがありません。
パートナーと良好な関係を継続したいなら、予定はできるだけ詳しく伝えるようにしてください。
そうすることで、大切にされているという実感も持ってもらいやすくなります。
■メンヘラを改善するためには?
パートナーがメンヘラだと付き合いにくさなどを感じてしまい、「別れたい」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、メンヘラは改善する場合があるので、すぐに別れるという選択をするのは得策ではありません。
最後に、メンヘラを改善する方法をいくつかピックアップしてご紹介します。
・自分を大事にする
メンヘラ気質な人には、まず自分を大事にする癖をつけてもらう必要があります。
なぜかというと、自分を受け入れないことには前に進めないからです。
自傷行為をしても、何かが解決するわけではありません。
精神的につらい時は、まず自分の内側を見つめ、自分を労わるようにしてください。
「つらかったよね、もうあの時とは違うから大丈夫」と自分を諭すように語りかけてみるのも良いでしょう。
自己肯定感が高まっていけば、周りのあなたに対する見方も変化していきます。
・規則正しい生活を意識する
メンヘラな人は夜に行動する人も多いです。
不規則な生活になると自律神経のバランスが乱れて、精神的に不安定になりやすいです。
そのため、夜になったら寝て朝は早めに起きるという生活を取り戻すようにしてみてください。
精神的な安定につながり、メンヘラを抜け出せる可能性が高まります。
・心療内科などに受診を検討する
メンヘラから抜け出せない場合、心療内科や精神科を受診してみるのも良いでしょう。
そのような病院に足を運ぶことに抵抗があるかもしれませんが、内科や耳鼻科などと変わりません。
メンヘラな人の中には、パニック障害や摂食障害、うつ病などの精神的な病を抱えている人もいます。
自分としっかり向き合い、改善を目指したいのであれば、医療の力を借りることも前向きに検討してみてください。
原因がわかれば、どう対処すればいいかもはっきりします。
カウンセリングも受けられるため、過去のトラウマから抜け出すためのきっかけが見つかる場合もあります。
メンヘラな人は、過去のトラウマなどが原因となって自分に自信を持てないケースが多いです。
過去のしがらみから抜け出すのは簡単ではありませんが、絶対にできないわけではありません。
周りの力を借りることで抜け出せる場合もあります。
そのため、パートナーがメンヘラ気質な人だったなら、一緒に改善を目指すようにしてみてください。
大切な人のためなら一緒に頑張れるはずです。
時間はかかるかもしれませんが、2人の関係はより強固なものになり、ずっと一緒にいたい相手だと実感できるでしょう。
心療内科などに行くときは一緒に行ってあげるなどの協力をするのもおすすめです。